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結論から言うと、「2025年第4四半期にメモリ価格が50%急騰した」という見出しは、すべてのRAMやSSDの店頭価格が一律50%上がったという意味ではありません。 Counterpoint Researchが2026年1月に、メモリ市場の価格が2025年第4四半期に40~50%、2026年第1四半期にもさらに40~50%、第2四半期に約20%上昇すると予測したことが元になっています。
2026年8月10日時点では、後続データから従来型DRAMとNANDの契約価格が実際に大幅上昇したことが示されています。ただし、今後の見通しは製品によって分かれます。AIサーバー向けのHBMやサーバーDRAMは2027年も供給逼迫が続く可能性が高い一方、NANDは2027年後半に需給が緩和する可能性があります。メモリ価格を読むときは、DRAM・NAND・HBM、契約価格・スポット価格・小売価格を分けて考える必要があります。
「50%急騰」は何の価格か
今回の見出しの元になったのは、Counterpoint Researchの2026年1月6日付の分析と、その日本語版発表です。日本語版は2026年1月8日付で、2025年10月1日から12月31日までのデータを対象にしています。
Counterpointは、2025年第4四半期のメモリ価格が40~50%上昇し、2026年第1四半期にもさらに40~50%、第2四半期には約20%上昇すると予測しました。ただし、公開ページだけでは、この「メモリ価格」がDRAMだけなのか、NANDやHBMを含む総合的な指標なのか、また契約価格・スポット価格・小売価格のどれなのかを十分に確認できません。
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そのため、正確な表現は「メモリ全体の店頭価格が50%上昇した」ではなく、Counterpointがメモリ市場の複数カテゴリーについて大幅な契約価格上昇を予測したです。2025年第4四半期が終わった後に発表された分析であることから、同四半期については純粋な事前予測というより、四半期末の市場状況を反映した評価・見通しとして読むのが適切です。
Counterpointが示した数字
| 対象時期・製品 | 示された数字 | 注意点 |
|---|---|---|
| 2025年第4四半期 | 40~50%上昇 | 価格指標や対象カテゴリーの詳細は公開ページだけでは不明 |
| 2026年第1四半期 | さらに40~50%上昇 | 前四半期比と読むのが自然だが、指標の定義には注意が必要 |
| 2026年第2四半期 | 約20%上昇 | メモリ市場全体の見通し |
| 64GB RDIMM | 255ドルから450ドルへ | 2025年第3四半期から第4四半期の具体例 |
| 64GB RDIMM | 2026年3月までに700ドルが目標水準 | Counterpointの価格目標 |
64GBのサーバー向けRDIMMについては、2025年第3四半期の255ドルから第4四半期に450ドルへ上昇した例が示されています。これは計算上約76%の上昇です。ただし、このRDIMMの個別価格と、市場全体の40~50%という数字が同じ価格種別・加重方法で計算されたものかは確認できません。両者を同じ指標として扱うべきではありません。
同じ発表では、1Gbあたりの価格が年内に1.95ドルに達する可能性も示されました。これは2018年のピークとされる約1ドルの約2倍という比較ですが、容量、製品世代、取引条件が異なる可能性があるため、PC用メモリモジュールの店頭価格と直接比較できる数字ではありません。
単純な複利計算にも注意
Counterpointの40%、40%、20%という数字を、同じ製品・同じ価格指標にそのまま適用すると、1.4 × 1.4 × 1.2 = 2.352となります。つまり、2025年第3四半期から2026年第2四半期まで約135%上昇する計算です。50%、50%、20%なら約170%上昇します。
しかし、これはあくまで単純計算です。実際には四半期ごとに対象製品、価格の平均方法、契約条件、在庫状況が変わります。Counterpointが市場全体について、この累積上昇率を直接予測したわけではありません。
そもそも「メモリ」には何が含まれるのか
ニュースで使われる「メモリ」は、日常的にはPCのRAMを指すことがあります。しかし半導体市場では、少なくとも次の製品を分けて見る必要があります。
| 種類 | 主な用途 | 今回の価格問題との関係 |
|---|---|---|
| DRAM | PCのメインメモリ、サーバーのRDIMM、スマートフォンのLPDDR、GPUのGDDRなど | AIサーバー向けへの生産移行が、PC・スマートフォン向けの供給を圧迫 |
| NAND Flash | SSD、スマートフォンの内蔵ストレージ、USBメモリ、メモリーカード | SSD価格に影響するが、DRAMとは需給サイクルが異なる |
| HBM | AI GPUやAIアクセラレーター | DRAMの一種だが、一般的なDDR5やLPDDRとは製品構造・価格・供給制約が異なる |
| 契約価格 | 半導体メーカーとPC・サーバー・スマートフォンメーカーなどの大口取引 | 部材費に波及するが、店頭価格に同率・即時で反映されるわけではない |
| スポット価格 | 短期・現物取引 | 契約価格とは変動時期が異なり、先行指標になる場合がある |
| 小売価格 | 消費者が購入するメモリモジュールやSSDの価格 | 在庫、為替、販売促進、流通マージンなどの影響を受ける |
つまり、「DRAMの契約価格が上がった」「NANDのスポット価格が動いた」「家電量販店のSSDが値上がりした」は、似ているようで別の現象です。半導体チップの価格上昇が、そのまま完成品の価格に同じ比率で転嫁されるわけでもありません。
2025年第4四半期に本当に50%上がったのか
この問いへの答えは、「大幅な上昇は確認・予測されたが、メモリ全製品の小売価格が平均50%上昇したと断定できる公開統計ではない」です。
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Counterpointの発表は40~50%という市場全体の強い警戒シグナルを出しました。一方、TrendForceが2025年9月時点で示していた2025年第4四半期の予測は、従来型DRAMが前四半期比8~13%、HBMを含むDRAMが13~18%でした。TrendForceの当時の見通しとCounterpointの数字には大きな差があります。
この差は、どちらかが単純に間違っているというより、対象製品、契約価格かスポット価格か、HBMを含むか、集計範囲や加重方法が異なる可能性を示します。TrendForceの2025年12月の資料は、年末にPC向けDRAMの契約価格が大きく上昇したと説明していますが、公開ページ上では市場全体の最終的な単一上昇率までは示していません。
したがって、「Counterpointの予測がそのまま確定実績として的中した」とも、「50%急騰は誤報だった」とも言い切れません。比較するときは、同じ製品カテゴリーと同じ価格指標をそろえる必要があります。
2026年の価格推移は、見出し以上に急激だった
後続のTrendForce資料を見ると、2026年の契約価格はCounterpointの当初予測を上回る勢いで上昇したカテゴリーもあります。
| 時期 | 製品・指標 | 前四半期比 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| 2026年第1四半期 | 従来型DRAM契約価格 | 93~98%増 | TrendForceによる実績推計 |
| 2026年第1四半期 | DRAM業界売上高 | 81%増、970億ドル | TrendForceによる業界売上高推計 |
| 2026年第2四半期 | 従来型DRAM契約価格 | 58~63%増 | TrendForce予測 |
| 2026年第2四半期 | NAND Flash契約価格 | 70~75%増 | TrendForce予測 |
| 2026年第3四半期 | 従来型DRAM契約価格 | 13~18%増 | TrendForce予測 |
| 2026年第3四半期 | NAND Flash契約価格 | 10~15%増 | TrendForce予測 |
2026年第1四半期の従来型DRAM契約価格については、TrendForceが93~98%上昇と集計しています。第2四半期については、従来型DRAMが58~63%、NAND Flashが70~75%上昇すると予測しました。
第3四半期は、従来型DRAMが13~18%、NAND Flashが10~15%上昇する見通しです。上昇率が縮小しているのは、価格水準がすでに高く、PCやスマートフォンなど消費市場の負担能力が限界に近づいているためです。
ここで重要なのは、上昇率が鈍化したことと、価格が下落したことは違うという点です。第2四半期までに大きく値上がりした価格水準から、さらに上がる割合が小さくなっただけで、価格が元の水準に戻ったことを意味しません。
なぜAI需要が一般向けメモリを圧迫するのか
AIがPC用メモリを直接買い占めているという単純な話ではありません。影響の中心は、メモリメーカーが限られた生産能力を、より高単価で需要の強いAI・サーバー向けに振り向けていることです。
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- AIの学習・推論用データセンターが増設され、HBM、サーバーDRAM、高容量RDIMM、エンタープライズSSDの需要が増える。
- これらの製品は、一般消費者向けメモリより高単価・高収益になりやすい。
- メーカーが既存の設備やウェハー、先端パッケージング能力をHBMやサーバー製品に再配分する。
- PC用DDR4・DDR5、スマートフォン用LPDDR、一般消費者向けNANDに回る供給余力が減る。
- 半導体工場の増設には年単位の時間がかかるため、一般向け製品にも価格上昇が波及する。
TrendForceは、DRAMメーカーがHBMとサーバー用途へ生産能力を再配分していると説明しています。Samsungも2026年第2四半期の決算発表で、AI需要に対応するためサーバー向け製品を優先し、供給制約が続くとの見通しを示しました。
HBMの増産が普通のDDR5増産にならない理由
HBMはDRAMの一種ですが、通常のPC用DDR5と同じ製品ではありません。複数のメモリダイを積層し、非常に広い帯域幅のインターフェースや先端パッケージングを使うため、専用の工程や実装能力が必要です。
TrendForceは、HBMの製造には通常のDRAMより多くのウェハー投入が必要で、DRAM設備を増強しても、それがそのまま有効ビット数の増加につながらないと説明しています。したがって、HBMの増産計画が発表されても、一般向けDDR5の供給が同じペースで増えるとは限りません。
同じ構造はサーバー向けにもあります。北米のクラウドサービス事業者は高容量RDIMMを優先的に調達し、長期契約で供給を確保しているとTrendForceは説明しています。価格上昇を受け入れてでも供給を確保したい買い手がいるため、PCやスマートフォンの需要が弱まっても、メモリ市場全体がすぐに下落するとは限りません。
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1Repair Windows errors before they cause bigger problems2Fix the driver behind crashes, sound loss and screen glitches3Clear out junk files and repair common Windows errors2026年8月時点の見通し:DRAMとNANDは分かれる
DRAM:上昇率は鈍化しても、需給は緩みにくい
2026年第3四半期の従来型DRAM契約価格は前四半期比13~18%の上昇が見込まれています。第1四半期の93~98%、第2四半期の58~63%に比べれば勢いは鈍化していますが、高値からさらに上がる予測です。
TrendForceは2027年もDRAMの供給不足が続くと見ています。新工場の一部は2027年下半期に稼働する見通しでも、意味のある生産量に達するのは2028年になる可能性があるためです。同社は、2026年の需給充足率がマイナス1~2%で、2027年には不足幅がさらに広がるとの見方を示しています。
Samsungも2026年第2四半期にメモリ事業の売上高と営業利益が過去最高になったと発表しました。2026年下半期についても、AIインフラ、エージェント型AI、サーバーDRAM、エンタープライズSSD、HBMの需要を背景に、供給不足が続くとしています。ただし、これはSamsungの見通しであり、需要や設備投資が変化すれば予測も変わり得ます。
HBM:2027年もメーカー側の交渉力が強い可能性
TrendForceは、2027年のHBMビット出荷が前年比50~60%増えると予測しています。それでもAI向け需要の伸びに追いつかず、供給制約とメーカー側の価格交渉力が続く可能性があるとしています。
また、TrendForceはNVIDIAの次世代Rubin Ultraについて、HBM4e 12-Hiだけでなく、HBM4e 8-Hi、HBM4 12-Hi、HBM4 8-Hiなど複数構成を評価していると報じています。ただし、これはTrendForceの業界調査に基づく情報であり、NVIDIAが最終仕様を公式発表したことを意味しません。
NAND:2027年後半に需給緩和の可能性
NAND Flashは、SSDやスマートフォンのストレージに使われます。2026年はAIサーバー向けエンタープライズSSDの需要と限られた設備能力によって供給不足が続いていますが、TrendForceは2027年後半にNANDの需給が緩和する可能性を示しています。
背景には、高層NANDへの工程移行、新工場の稼働、中国メーカーの生産増加、スマートフォンやノートPCなど消費市場の弱さがあります。ただし、NAND全体の需給が緩和しても、エンタープライズSSDがすぐに安くなるとは限りません。AIサーバー向け需要が強い間は、企業向けSSDとクライアント向けSSDで価格の動きが分かれる可能性があります。
PC、スマートフォン、SSDにはどう波及するか
PC:価格転嫁、容量削減、低価格モデル縮小
メモリとSSDの仕入れ価格が上がると、PCメーカーには複数の選択肢があります。完成品価格への転嫁、メモリ容量やSSD容量の削減、低価格モデルの縮小、高価格帯への製品構成変更、利益率の引き下げなどです。
Gartnerは、2026年末までにDRAMとSSDを合わせた価格が2025年比で130%上昇し、PC価格が17%、スマートフォン価格が13%上昇する可能性を示しています。同社は2026年のPC出荷が前年比10.4%減少すると予測しました。これはメモリ単体の小売価格が130%上がるという意味ではなく、メモリ・SSDの部材コスト上昇と完成品市場への波及を含む予測です。詳しくはGartnerの発表を確認してください。
TrendForceも、2026年第1四半期のノートPC用DRAM契約価格が80%超、SSD契約価格が70%超上昇し、ノートPC出荷が前四半期比14.8%減、通年では前年比9.4%減になると予測しました。高騰が続けば、次のような変化が起きやすくなります。
- 標準構成のメモリ容量やSSD容量が減る
- 同じ価格帯で性能や容量が据え置かれる
- 低価格モデルの品ぞろえが減る
- メーカー希望小売価格が引き上げられる
- メーカーが部品費を吸収できず、出荷台数を抑える
Gartnerは、メモリ価格上昇によってエントリーPC市場が縮小し、500ドル未満のPC市場が2028年までに消滅する可能性も指摘しています。これは確定した結果ではなく、同社の予測です。特に低価格帯ほど部品費が販売価格に占める割合が大きく、影響が強く出やすい点を示しています。
スマートフォン:低価格機ほど影響が大きい
TrendForceは2025年11月時点で、スマートフォンの部材費に占めるメモリの比率を通常10~15%とし、2026年にはメモリ価格の上昇によって部材費がさらに5~7%、またはそれ以上増える可能性を示しました。
The Tool Desk
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スマートフォンは低価格機ほど利益率が薄いため、メーカーは価格転嫁だけでなく、生産比率の削減、RAMやストレージ容量の見直し、高価格帯への注力を選びやすくなります。Gartnerは2026年のスマートフォン出荷が前年比8.4%減少すると予測し、価格上昇によって買い替えの延期や中古品の選択が増える可能性を説明しています。
消費者にとっては、表示価格だけでなく、RAM容量、内蔵ストレージ容量、外部ストレージ対応の有無、買い替え後の使用年数を合わせて判断することが重要です。安価なモデルを購入しても、容量不足で早く買い替えるなら、総支出が小さくならない場合があります。
SSD:NANDの見通しを別に確認する
SSDはNAND価格の影響を受けますが、DRAMと同じタイミングで値下がりするとは限りません。容量、TLCかQLCか、クライアント向けか企業向けか、コントローラー、在庫、契約条件によって小売価格の動きは変わります。
2027年後半のNAND需給緩和を待てる人は、容量や製品を柔軟に選べる限り、急いで大容量SSDを買わない選択肢があります。一方、仕事のバックアップや故障したストレージの交換など、必要性が高い場合は、価格予測だけを理由に先延ばしするべきではありません。データ消失の損失は、SSDの価格差を上回ることがあるためです。
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サーバー市場では、AI計算基盤を運営するクラウド事業者など、価格が上がっても供給確保を優先する買い手が存在します。このため、一般消費者向け需要が弱くなっても、サーバー向けの高容量RDIMM、HBM、エンタープライズSSDが供給を吸収する構図が続く可能性があります。
ゲーム機もDRAMとNANDを使うため、部材価格の上昇から影響を受ける可能性はあります。ただし、今回のCounterpoint、TrendForce、Gartnerの公開資料には、ゲーム機の価格や出荷台数に関する具体的な予測は示されていません。ゲーム機については、PCやスマートフォンの予測をそのまま当てはめないことが重要です。
Independent reader supportYour contribution helps us test, update, and keep practical guides available for everyone.個人ユーザーは今買うべきか
一律に「今すぐ買うべき」「待つべき」とは言えません。用途と部品の種類で判断するのが合理的です。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| PCのメモリ不足で作業に支障がある | 価格よりも必要性を優先。増設できる機種なら、互換性を確認して必要容量だけ購入する |
| 仕事・学業で買い替え時期が決まっている | 価格下落を待てないため、予算内で容量を確保。販売価格だけでなく保証や耐用年数も比較する |
| ノートPCやスマートフォンを買う | 後から増設できない機種では、購入時のRAM・ストレージ容量を重視する |
| 既存PCで容量に余裕がある | 急いで買い替える必要は薄い。NAND製品なら2027年後半の緩和可能性を待てる |
| 特定の旧世代メモリが必要 | DDR4など古い世代でも必ず安いとは限らない。供給縮小で価格が上がる場合がある |
| 大容量SSDを予備として買う | 必要性が低いなら、NANDの需給とセール時期を見ながら分散購入する |
メモリ増設前に確認する項目
- DDR4、DDR5などの世代
- ノートPC用かデスクトップ用か
- UDIMMかRDIMMか、ECC対応が必要か
- 最大容量、スロット数、対応速度
- 電圧、レイテンシ、既存モジュールとの組み合わせ
- 増設ではなく、既存メモリとの交換が必要か
サーバー用RDIMMと一般的なPC用UDIMMは、同じ容量表示でも互換性がありません。PCの買い替えや増設では、単に「DDR5・64GB」といった容量や規格名だけでなく、機器メーカーの仕様表を確認してください。
企業の調達担当者が見直すべきこと
- HBM、サーバーDRAM、LPDDR、クライアント向けDRAM、NANDを同じ「メモリ」として一括管理しない
- 需要が確定しているサーバー用メモリをスポット購入だけに依存しない
- 長期契約で供給を確保するコストと、価格上昇リスクを比較する
- 2027年もDRAMが逼迫する前提で、更新時期と予備在庫を再計算する
- NANDは2027年後半の緩和可能性を考慮し、過剰な長期固定契約を避ける
- 容量削減や別規格への変更について、性能、消費電力、保証、認証を事前検証する
DRAMとNANDの見通しが分かれるため、PCやサーバーの部品予算も一括で上乗せするのではなく、製品カテゴリーごとにシナリオを作るべきです。例えば、DRAMは高値継続、クライアント向けNANDは2027年後半に緩和、エンタープライズSSDはAI需要で高止まり、という複数シナリオで予算を組む方法があります。
メモリ価格のニュースを読む5つのチェックポイント
- 前四半期比か前年比か:同じ50%でも、比較対象によって意味が変わります。
- 何の製品か:DRAM、NAND、HBM、RDIMM、LPDDR、SSDを区別します。
- 契約価格かスポット価格か:大口取引の価格と短期市場の価格は動くタイミングが異なります。
- 店頭価格か部材価格か:在庫や為替、メーカーの価格政策によって転嫁率と時期は変わります。
- 予測か確定値か:調査会社の予測は、需要、設備投資、歩留まり、在庫、為替によって修正されます。
特に今回の「50%」については、分母が何かが最大の論点です。チップ単価、モジュール価格、契約価格、スポット価格、小売価格、完成品価格を混同すると、PCが50%値上がりするという誤った結論につながります。
まとめ:2027年の見方は「メモリ全体」ではなく製品別に
2025年第4四半期の「50%急騰」は、Counterpointが示した強烈な価格上昇予測を要約した見出しです。しかし、それはすべてのRAMやSSDの店頭価格が一律50%上がったことを示す確定統計ではありません。
2026年8月時点では、TrendForceの後続資料から、従来型DRAMの契約価格が2026年第1四半期に93~98%、第2四半期に58~63%上昇したとされ、第3四半期も13~18%の上昇が見込まれています。上昇率は鈍化していても、価格下落とは別です。
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今後は、AI向けHBMとサーバーDRAMを中心にDRAMの供給逼迫が2027年も続く可能性があります。一方、NANDは新工場、高層化、工程移行、消費市場の弱さを背景に、2027年後半に需給が緩和する可能性があります。購入者も企業も、「メモリ価格」という一つの数字ではなく、必要な製品と価格指標を分解して判断することが重要です。
主な情報源
- Counterpoint Research:2025年第4四半期のメモリ価格見通し
- TrendForce:2026年第1四半期のDRAM市場
- TrendForce:2026年第2四半期のDRAM・NAND見通し
- TrendForce:2026年第3四半期のDRAM・NAND見通し
- TrendForce:2027年のDRAM・NAND需給見通し
- TrendForce:NANDの2027年後半の需給見通し
- Gartner:メモリ高騰によるPC・スマートフォン市場への影響
Frequently Asked Questions
メモリ価格が50%上がると、PCも50%値上がりしますか?
いいえ。今回の50%は、メモリ市場の特定の価格指標についての予測であり、PCの店頭価格を意味しません。PCメーカーは価格転嫁、メモリやSSD容量の削減、利益率の圧縮などで対応できます。Gartnerは2026年のPC価格が17%上昇する可能性を予測していますが、これはメモリ単体の値上がり率とは別の数字です。
DRAMとNANDは同じように値下がりしますか?
同じとは限りません。DRAMとHBMはAIサーバーや高容量RDIMMの需要で2027年も供給逼迫が続く可能性があります。一方、NANDは新工場や高層化によって2027年後半に需給が緩和する可能性があります。ただし、AI向けエンタープライズSSDはNAND全体が緩和しても高止まりする可能性があります。
個人はメモリやSSDを今買うべきですか?
容量不足や故障など必要性が高い場合は、価格予測だけを理由に先延ばししない方がよいでしょう。既存機器で足りていて、製品や購入時期を柔軟に選べる場合は、NAND製品について2027年後半の緩和可能性を待つ選択肢があります。増設では、DDR世代、UDIMM・RDIMM、ECC、最大容量などの互換性を必ず確認してください。
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要点:「50%急騰」はメモリ全製品の店頭価格を示す数字ではなく、調査会社が示した市場・契約価格の大幅上昇予測です。2026年8月時点では、DRAMとHBMは2027年も逼迫が続く可能性がある一方、NANDは2027年後半に緩和する可能性があります。PCやSSDを買うときは、製品カテゴリー、価格指標、必要な時期を分けて判断してください。




